攻めるのか、攻めないのか-。
民主党が25日に発表した参院選マニフェストは目玉政策のはっきりしない総花
的な内容にとどまった。
冊子に漫画をふんだんに使い、ソフト路線を演出したものの、そこにあるのは
民主党政権当時の政策の自画自賛ばかり。
野党第一党として安倍晋三政権に相対していく気迫は感じられない。
マニフェストは海江田万里代表が自ら記者会見して発表した。
脇を固めたのは、辻元清美元国土交通副大臣、菊田真紀子元外務政務官
ら女性議員6人
海江田氏は「マニフェストに女性議員の声をよく反映させようということで議論に
中心的に加わってくれた人です」と紹介し、子育てや女性政策を
アピールしようと努めた。
だが、その割にはこれらの政策に手厚くページを割いたわけではなく、数値
目標はほとんどない。
盛り込んだ新児童手当の充実や、最低保障年金の創設などに金額はなく
具体性を欠いている感は否めない。
海江田氏は「衆院選のマニフェストではないので…」と語り、参院選が政権選択
の選挙ではないことを理由にした。
だが、平成21年衆院選マニフェストに、工程表とともに数値目標を掲げながら
政権交代しても実現できなかった政策は数知れず。
「マニフェスト違反」の汚名を着せられたことがトラウマになっているの
は間違いない。
それでも、漫画では登場人物の吹き出しに「年金の給付額が増えたんだよ。
年金記録が回復されたからね」「それも民主党政権のおかげですよ」など民主党
政権時の政策を絶賛する発言が無数に並んだ。
信頼を失い野党に転落したのは約半年前…。反省の色はあまりうかがえない。
憲法改正では自民党を念頭に置いてか「自衛隊を国防軍に変えて、国内でも
治安活動させたいみたいだよ」「なんか怖いわね」との吹き出しで不安をあおり
活字では「未来志向の憲法を構想する」と改憲をにじませている。
活字については抽象的な表現にとどめる一方、漫画で本音を漏らす
戦略のようだ。
「安倍政権は企業や国家を強調するが、私たちは国民の生活を守ることを
訴えている」。
会見でこう語った海江田氏だが、党内からは早くも「どういう国家にしたいのか
ビジョンも戦略も見えない」との不満が漏れ始めている。
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