中国商務省、TPP参加の可能性を研究
米サンチェス商務次官が先日訪日した際、一定の前提の下に、中国のTPP参加
を歓迎すると述べたことについて、中国商務省の沈丹陽報道官は30日に「中国
は綿密な研究を通じて、TPP参加のメリットとデメリットや可能性などを分析して
いく」と述べました。
アメリカからのこのような招請を受けて、中国国際問題研究所経済外交と安全
研究センターの姜躍春主任は、「アメリカの中国へのTPP参加招請の意思は偽り
のないものだと見ている。
※東アジアサミット(ひがしアジアサミット英: East Asia summit,EAS)
将来の東アジア共同体の創設を視野に入れた首脳会議である。
※環太平洋戦略的経済連携協定(かんたいへいようせんりゃくてきけいざい
れんけいきょうてい、英語: Trans-Pacific Strategic Economic Partnership
Agreement TPP,環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋経済
連携協定、環太平洋パートナーシップ協定)は、環太平洋地域の国々に
よる経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。
※東南アジア諸国連合(とうなんアジアしょこくれんごう、英語: Association of
South‐East Asian Nations)
東南アジア10か国の経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力機構。
略称はASEAN(アセアン)。
※環太平洋
何故ならば、事実上、中国の参加がなければ、アメリカのアジア太平洋における
地域協力は確実かつ効果的に展開することができないためだ」との
考えを示しました。
姜主任は「TPPの交渉が始まって数年経つが、この間様々な問題にぶつ
かっている。
数多くの二国間協議が十数ラウンドを進めてきたものの、それほど大きな進展
は見られなかった。
我々は、アジア太平洋地域では中国の参加がなければ、地域全体の協力が
実質的かつ効果的な進展を成し遂げることはできないと見ている。
何故ならば、中国経済の台頭はアジア太平洋地域全体で幅広い影響力を及ぼし
ており、中国なしのTPPは実質上、推進できないものになるだろうからである。
そのため、米商務次官のこのような意思表明は、ある程度、米政府の目下の
考えの表れだと見ている」と話しています。
姜主任はまた、これまでの2年間、中国はTPP交渉から除外されており、受身の
状況に置かれていたが、現在、アメリカがその態度を変えたならば、中国は
積極的にそれに呼応して、調整しながらそのプロセスに参加すべきだと
主張しています。
姜主任はさらに、「TPPが打ち出された後、中国は事実上除外されていた。
この問題において、これまでの2年間、中国はずっと受身だった。
もしアメリカが先にこれを打破してこれまでと異なったやり方をとり、中国の
参加を歓迎すると表明したならば、中国は参加すべきだと思っている。
アジア太平洋地域では、中国は経済規模のもっとも大きい国だ。
世界第二の経済大国として、中国がTPPに参加しない理由はない。
もちろん、どのように参加すべきかは、吟味する必要がある。
中国はいま転換期にあり、まだ数多くの困難を抱えている。
産業構造や経済構造、貿易構造などにおいて、TPPの基準に合致しない箇所
が数多くあり、アキレス腱が多い。
そのため、我々は調整をしながら参加すべきだと思う。
参加すること自体が我々の経済成長にデメリットよりも多くのメリットを
もたらすだろう。
グローバルな時代の下で、アジア太平洋地域の協力の勢いが早まりつつある
ことを考えれば、私は中国がTPP交渉に参加すべきだと思っている」と
話しています。
日本を訪問中に、米サンチェス商務次官は「先に参加した国と同じような高い
水準の自由化義務を負うことができれば、中国の参加も歓迎する」として
中国を排除する考えはないことを強調しました。
それに対して、沈報道官は「中国はTPP交渉の進捗状況に終始注目している。
国内の各省庁や産業界からの意見も集めている。またTPP参加国と交渉の情報
や資料について互いに交流したい」と述べました
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