米朝首脳会談後の米朝の動きが複雑だ。
北朝鮮の金正恩委員長とのベトナムでの会談の後
トランプ米大統領は、3月1日、帰路、アラスカに立ち寄り
世界最強とされてきたF-22Aラプター・ステルス戦闘機の
前に立って、米軍は、米国を攻撃するなという強力な警告
だと強調した。
トランプ大統領は
F-22Aラプターを米国の力の象徴として
使用したのだろう。
首脳会談を含め、米朝交渉とは、北朝鮮の核やミサイル
といった大量破壊兵器を巡る交渉であり、つまり、軍事力
の基盤となる兵器を巡る交渉である。
朝鮮を研究するシンクタンク、CSISは、トランプ大統領が
F-22Aラプターの前で、演説した翌日の2日に撮影した
東倉里の西海衛星発射場の最新の衛星画像を
5日に公開した。
この施設は
衛星打ち上げロケットの発射施設の他、巨大なロケット
エンジンの試験用の設備があることでも知られている。
施設内には、巨大な重機が入り、去年の米朝融和を受けて
一度は“撤去”された施設の屋根などが再建されている
様子が確認できるとしている。
CSISはこうした北朝鮮の活動について、米国への反発を
アピールしようとした可能性があると指摘する。
こうした中、米太平洋空軍は、フジテレビの問い合わせ
に対し「2019年3月4日、グアムのアンダーセン空軍基地から
2機のB-52Hストラトフォートレス爆撃機を離陸させた」として
米朝交渉の後、B-52H大型爆撃機を活動させたことを認めた。
そして、
「爆撃機の1機はグアムに帰還する前に南シナ海付近で
訓練を行い、もう一機はグアムに帰還する前にアメリカ海軍
と航空自衛隊の部隊と協力して日本の近隣で訓練を行った。
C爆撃機継続プレゼンス(CBP)任務は米軍の即応性を
維持し、軍の統合及び合同の相互運用性を改善する
ための重要な要素である
2004年3月から日常的に使用されてきた米
国インド太平洋司令部のCBP任務は、国際法および
自由で開かれたインド太平洋に準拠している」と説明した。
B-52H爆撃機は
射程約2800km級の核弾頭搭載AGM-86B巡航ミサイル
や射程1100km以上の通常弾頭搭載AGM-86C巡航ミサイル
を最大20発搭載可能。
南シナ海に飛んだ1機のB-52Hは、支那をけん制した
とみられる。
だが、もう1機のB-52H爆撃機の動きに関して、航空機の
動きの情報を扱う専門サイト「@AircraftSpots」が作成
した図によると、グアムを離陸したB-52H爆撃機の1機は
沖縄県の南東から北上して、東シナ海に入り
九州と対馬の間を通って、日本海へ。
本州の西側に沿うようにして、北東に向かい
青森県と北海道の間を抜けて、太平洋に出て
グアムに戻ったことになる。