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F3 新型戦闘機!

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○F3戦闘機とは?
F16を元に
日米共同開発されたF2戦闘機の後継機の俗称です。

 

IMG_5121
F2戦闘機
IMG_5122
F16戦闘機

 

F2戦闘機はいわゆる"マルチロール機"・"戦闘攻撃機"に
分類され、ある程度の対地攻撃能力強力な対艦攻撃能力
を持つことから、後継機であるF3にもそれらの能力を持つ
ことが求められます。
○F3戦闘機の開発を巡る経緯

 

F2戦闘機開発の際に日本は最初、単独開発を望んで
いました。
しかしアメリカからの政治的圧力技術的要因、特に
実用に耐えうる高出力エンジンの開発が難しかった
ことにより最終的にはアメリカとの国際共同開発に
落ち着いた経緯があるのです。

 

しかも、そのアメリカとの共同開発で日本はかなり悔しい
経験をしています。

 

というのも、なんとアメリカはその技術的優位を利用して
半強制的に日本に最新のレーダー技術(日本の得意分野)
を開示させたにも関わらず、戦闘機に搭載する
ソフトウェアのソースコードは開示しないという舐めっぷり
だったのです。
 
(現代の戦闘機においては、ソフトウェアのソースコードが
極めて重要で性能を大きく左右する)

 

さらに開発費は高騰し、機体単価も当初予想より大幅に
増え、計画配備数を満たす前に製造を終了してしまいました。

 

(ただし、F2はその後の改修により今ではかなり良いもの
に仕上がっています)

 

これらの経緯から日本は、独自でステルス技術・レーダー
技術・戦闘機用高出力エンジンの研究を進めてきました。

 

あのATDX(X-2)と呼ばれる技術実証機はこれら地道な
研究の賜物なのです。

 

IMG_5123
ATD-X

 

*ATDX(X-2)についてはコチラ↓

 

そして今回のF2後継機開発を巡る問題。通称F3の開発に
は以下2通りの案があります。

 

国内単独開発

 

国際共同開発

 

日本政府内でもどちらにするか意見が割れているようで
2018年夏には決定すると言われていましたが延期されました。

 

それではここで国内単独開発、国際共同開発について見て
いきましょう。
○国内単独開発
メリット

 

自分たちの要求に柔軟に対応できる。

 

・改修や追加配備などにあたり、他国の影響を受けない

 

・国内産業の活発化に繋がる上、雇用も創出され、経済効果
  が見込める。

 

・自国の技術力躍進が見込める。

 

デメリット

 

・戦闘機の独自開発経験がないため、技術的不安が多く残る。

 

・他国への輸出が無いと製造数が少なくなってしまい
機体単価が高くなる。

 

◇国内単独開発を巡る動き
(1998〜継続中)
各種レーダー/センサー・ステルス技術・アビオニクス
技術・HMD・火器管制システムの研究
 
(2010〜2015)
次世代エンジン主要構成要素の研究
 
(2016)
ATD-X初飛行
 
(2013〜2017)
戦闘機用エンジン要素の研究
 
(2018)
IHI製 XF9-1(新型エンジンの試作品)導入
 
◇XF9-1について
 
IMG_5124
XF9-1

 

XF9-1は新型戦闘機に搭載するエンジンを実証するための
研究用でIHI製です。
とは言っても
ドライ推力11t・アフターバーナー推力15t以上で実用に
十分なレベルの出力です。
タービン入口温度は1800℃以上、直径は1mという
コンパクトさでこの出力は画期的です。

 

さらに日本の得意分野である素材技術を生かした
セラミック複合材・特殊な超合金でエンジン温度を
高くすることに成功しています。

 

従って、前回のF2開発の時に問題となった
「自前でエンジンを製造できない」という問題は解決間近
といったところです。

 

○国際共同開発

 

メリット

 

・海外の高い技術を習得できる。

 

製造コストが国内単独開発よりも抑えられる可能性が高い。

 

各国の得意分野の技術を持ち寄ることができる。
 
・戦闘機を製造した経験があるメーカーとの共同開発には
 安心感がある。

 

デメリット

 

・国内での経済効果は限定的。

 

・追加配備や改修には他国の同意が必要になることもある。

 

・核心技術がブラックボックス化された場合
技術を得られないばかりか自前での改修などが難しく
なる可能性がある。

 

・他国との、特に性能面での妥協が必要となる場合もある。

 

◇国際共同開発を巡る動き

 

(2018)
日本政府がエアバス・ボーイング・ロッキードマーティン
など各社に情報要求書(RFI)を提出。

 

これに対して、ロッキードマーティンは日本政府に
F22とF35のハイブリッド型新型機の開発」を提案する。
 
(2018)
イギリスが開発する次期戦闘機"テンペスト"の開発に
参画( つまり、共同開発したテンペストをF3として採用)
する可能性がある旨が報道される。
 
(2019)
日本の安倍首相とイギリスのメイ首相が会談、安全保障分野での協力拡大で合意する。この中に、戦闘機開発が含まれている可能性もある。
 
◇「F22とF35のハイブリッド型新型機」について
 

*この案は廃案になった可能性が高いです。

詳しくは一番下の追記をご覧下さい。

 
F22はアメリカ軍でしか運用されていない
(機密が多すぎるため議会が他国への輸出を禁止したため)
文句なしに世界最強のステルス戦闘機です。
 
IMG_5126
F22
 
ところが格闘戦闘能力やステルス性は非常に優れてい
一方、レーダーや戦闘用ソフトウェアは少しずつ時代遅れ
となってきています。
 
F35は新しく世界9か国で共同開発されたステルス戦闘機で
格闘戦闘能力やステルス性はF22に劣ります。
しかし、レーダー・ソフトウェア・コックピット周りの
装備・味方と協力するための強力なネットワーク機能など
はF35がF22を圧倒します。
 
IMG_5128
F35のタッチパネルがついた先進的なコックピット
 
つまり、機体性能が最強のF22その他のアビオニクス
関連が最強のF35を掛け合わせて、いいとこ取り
新型機を作ろうということなのです。
 
これだけ聞くとこのプランが最高のように思えますが
次に上げるようないくつかの問題もあります。
 
調達費用が極めて高くなる可能性がある。
 
なんと1機230億円との話もあります。ちなみにF35は
日本向け価格が1機あたり146億円です。
 
アメリカ軍がこの新型機を導入する可能性が低い
 
アメリカ軍も勿論、F22の後継機を欲していますが
既存機の改修ではアメリカ軍の求める新型機の性能を
満たすことができない可能性が高いのです。そうなると
当然、アメリカ軍優先のアメリカ企業にとって
日本オリジナル機であるこの機種の改修・性能向上は
あまり利益が見込めないために消極的になってしまう
可能性が高いです。
つまり、将来的にこオリジナル機の性能向上改修などが
滞りがちになる可能性が高いのです。
 
◇イギリスとの共同開発について
 
イギリスでは、老朽化するユーロファイター・タイフーンの
更新機種として"テンペスト"の開発を計画してきました。
 
IMG_0084
ユーロファイター・タイフーン
 
テンペストは従来の機関砲に変わりレーザー兵器や
F35を上回る最新のアビオニクスを搭載する予定となっています。
 
ところで、F3開発にあたって、ロッキード・マーティン(アメリカ)
 の案が没になった以上、実質この案(イギリスとの
共同開発)しか残っていないことは事実です。
 
しかし、未だ日英両国から公式なアナウンスは無いなめ
詳しい情報は分かっていません。
 
日本政府は2019年4月から開発作業を開始したい意向で
あり、開発プランの早期決定が急がれます。
 
結局のところは国際共同開発か
 
政府は2018年の防衛大綱に「日本主体での国際共同開発」
を盛り込んだようです。
つまり、結果的にはほぼ、国際共同開発で確定と言えそうです。
 
理由としてはやはり高額の開発費です。2〜3兆円の
開発費を日本のGDP1%という少ない防衛予算から
捻出するのはかなり困難なことであるのは容易に想像できます。
 
IMG_5129
各国の軍事費(2017)
 
*追記 2018.12.5
複数の報道によれば、日本政府は中期防衛力整備計画
に次期戦闘機の開発方針として
国産エンジン・国産ソフトウェアを活用しつつ
日本主体"での国際共同開発」を盛り込んだようです。
 
つまり、ロッキード社が提案した"F22とF35のハイブリッド
"は没になった??
 

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