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政府方針 「 F2後継機、20年夏までに開発計画 21年度着手めざす 」

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2030年代半ばから退役するF2戦闘機の後継の次期戦闘機

を巡り、政府は20年夏までに開発計画を固める方針だ。

 

航続距離など次期戦闘機に必要な性能がまだ詰まって

おらず、今夏に締め切る20年度予算案の概算要求に

開発費を盛り込むのは難しいと判断した。

 

21年度から開発に着手し、技術試験や量産を経て

35年度末からの部隊配備をめざす。

次期戦闘機は約90機あるF2の後継機。

 

F2後継機問題 『日本主導』の開発は

航空自衛隊の戦闘機F2の後継機開発をめぐる動きが

激しくなっています。

防衛省は、外国との共同開発を軸に検討を進め

海外企業が売り込みに力を注いでいます。

 

一方、自民党の国防関係議員の間では、あくまで国産

を模索すべきだという声や、共同開発の場合でも

「日本主導の開発」を求める声が強まっています。

 

今夜は、F2後継機の開発方針をめぐる議論の現状と

今後の見通しについて


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F2後継機に関して「日本主導」の開発を求める

自民党の国防関係議員の提言をみた上で、後継機の

選定にあたって、外国との共同開発を念頭に、日本企業の

参画を重視する防衛省の考え方をおさえます。


一方で、事実上、現時点で唯一の具体的な提案とされる

アメリカの軍需産業の案、アメリカ空軍のF22をベースに

した案をみた上で、今後の議論の見通しを展望し課題を

考えます。

 

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F2は現在

自衛隊が運用する唯一の日米共同開発の戦闘機で

2000年に部隊配備が始まり、これまでに94機が調達され

ました。


ただ、配備が始まってから20年近くが経過し、2030年代

の退役が見込まれています。


このF2の後継となる将来戦闘機をどうするのか。

 

新しい戦闘機の開発は、10年以上の期間がかかると

いわれることもあり、この年末、新たな防衛計画の大綱と

中期防・中期防衛力整備計画が策定されるのを前に

政府・自民党内で、議論が活発になっています。


今月15日、自民党の国防議員連盟は、F2後継機に

ついて、次期中期防に速やかに開発に着手する方針を

明記し、取得方法は、日本主導・国内企業主体の開発と

することを強く求めるとする決議を行いました。


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自民党の防衛大臣経験者らで作る研究会も、提言をまとめ

きのう、岩屋防衛大臣に提出しました。

 

提言では、支那やロシアが空軍力を急速に高める中

自衛隊の戦闘機は既に量的には劣勢であり、このままでは

日本周辺の航空防衛に深刻な問題が生じるとしています。

 

一方、将来戦闘機は、総額5兆円以上が見込まれる国家的

プロジェクトであり、日本が主体的に戦闘機を開発・生産で

きる能力を保持することは、大きな抑止力になるとともに

技術先進国の条件だとしています。


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その上で、将来戦闘機は、国産のエンジンを活用し、戦闘に

使うソフトウェアなども含め、日本が主導権を確保して開発する。国際共同開発も有力な選択肢として、遅くとも2年後の

2020年度には、開発に着手すべきだとしています。
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自民党の国防族議員の間で広がる「日本主導の開発」を

求める声。
背景にあるのは、このままでは、国内の戦闘機開発の

技術基盤が失われるという危機感です。


これまで日本の防衛産業は、F2をアメリカと共同開発した

ほか、アメリカ製のF4やF15のライセンス生産を通じて

戦闘機に関する技術を蓄積してきました。しかし、現在は

F35の最終組み立て作業を担うのみです。こうした中で

F2後継機の計画が外国企業の主導になれば、日本は

今後数十年間、本格的な戦闘機開発から遠ざかること

になります。

 

関連企業の撤退や技術者の減少に歯止めがかからず

国内防衛産業の衰退は避けられません。
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一方、防衛省は、この問題にどう対応しているのでしょうか。


岩屋防衛大臣は、F2後継機の開発方針について

国内開発、国際共同開発、既存機の改修ないし派生型と

いう3つの選択肢を挙げた上で「共同開発であれ

派生型であれ、国内企業がどのくらい関与できる可能性が

あるかということは、よく見ていきたい」と述べました。


この発言から読み取れるのは

防衛省が、外国との共同開発を軸に、日本企業の参画が

どの程度、認められるかという観点から、検討を進めてい

るということです。

 

戦闘機開発には、数兆円も額の予算がかかります。

国産、つまり、開発費を全て日本が負担することになる

国内開発という選択は、現実的でないと考えているのでしょう。


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加えて、関係者の熱意がどうであれ、戦闘機の開発実績が

乏しい日本企業のみの開発は、技術面や能力面で不安が

残るのも事実です。


防衛省はすでに、アメリカとイギリスの軍需企業3社から

後継機に関する提案があることを明らかにしています。

 

提案の中身は公表されていませんが、私が関係者に

取材したところでは、このうち、ロッキード・マーティン社が

アメリカ空軍のF22戦闘機の機体をベースに、日本が既に

導入を始めているF35の電子機器を搭載するとした

F22とF35の混合型の戦闘機を提案しています。


F22は、敵のレーダーに探知されにくいステルス性と

超音速での巡航飛行能力に優れ、専門家の間で、現在

「世界最強の戦闘機」と評価されています。

このF22に

最新のF35の情報ネットワーク・戦闘システムを搭載し

敵機の探知能力や味方との交信能力を高めるというものです。


日本企業に開発・生産の分担比率を50%以上認めると

しており、日本製のレーダーの採用や、将来的には

エンジンの生産を日本企業に移すことも視野に入れて

いるといいます。


日米同盟の強化につながり、「日本主導の開発」にも

見合う案ではないかと、評価する意見もありますが

その一方で、自民党などからは

日本企業の参画が認められても、中核はアメリカ企業

が担い、結局、アメリカ主導になるのではないか

と、懸念する声が出ています。
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また、コスト面の問題もあります。構想段階の試算では

ありますが、1機当たりの価格は、全体で70機の生産

なら240億円。140機の生産なら210億円といわれ

現在、日本が導入しているF35の153億円を大きく上回ります


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一方、予算の鍵を握る財務省は
戦闘機開発は、国産であれ、共同開発であれ、数兆円の

予算が必要とされる上、開発の過程で、当初見積もって

いた費用が膨らむことも、ままあるからです。


財務省の一部からは、「既存のF35を買い増して改良する

方が現実的ではないか」という意見まで出ています。

 

防衛費の膨張を抑えるためには、開発そのものを見送る

べきだという考え方です。
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F2後継機をめぐっては、政界・官界・産業界、それに

海外企業の狙いや思惑が入り乱れ、現時点で、明確な

方向性は定まっていません。

 

しかし、これまで自衛隊がアメリカ製戦闘機を導入してきた

歴史や、アメリカ軍との相互運用性を重視する現場の

意向、さらに、アメリカ製装備の購入圧力を強める

トランプ政権の姿勢を考え合わせれば、F2後継機は

アメリカとの共同開発を軸にする中で、日本企業の参画

の幅をいかに大きくするかという方向で、議論が収斂

されていくと思います。


ただ、ここで私たちが忘れてならないのは

主権者・納税者としての視点です。戦闘機開発は

巨額の費用がかかるわりに、実態が見えにくいものです。

 

政界や産業界で、将来戦闘機への期待が先行している

ようにみえる中で、私たちは、日本の安全保障環境に

真に適合した能力とは何かを

費用対効果や、専守防衛の理念との整合性も含めて

冷静に考え、議論を深めていく必要があります。

 

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