【ソウル大貫智子】韓国青瓦台(大統領府)報道官は22日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪中について、6月末の日程を軸に中国側と調整していることを明らかにした。22日付の韓国紙・韓国日報は26~28日を中国側に提示していると伝えた。一方、訪日は検討しておらず、訪米後に訪日するという歴代政権の慣例を破り、中国重視の姿勢を打ち出す方針だ。
訪中では習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と首脳会談を行う。北朝鮮は18~20日に短距離ミサイルを相次いで発射する一方、22日には金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の特使として崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長を訪中させるなど硬軟両様の動きを見せており、北朝鮮に影響力が強い中国との連携を強化する。
朴大統領は今月7日の米韓首脳会談に続き、南北が信頼を積み上げ関係を改善していこうという基本政策「朝鮮半島信頼プロセス」について説明し、支持を得たい考えだ。
また、朴大統領は外交の基本姿勢として米韓同盟を重視しつつ、中韓関係強化や「米中韓3カ国戦略対話」の推進などを掲げている。3カ国の戦略対話については、米側が慎重で実現の見通しは立っていないが、外交筋は「どんな形でも3カ国の枠組みを作ろうというのが朴政権の強い方針」と話しており、習主席との会談で直接提案する可能性もある。
一方、歴史認識問題などを巡り、韓国側は対日不信を深めており、大統領訪日のメドは立っていない。
日本とのパイプ役である韓日議員連盟所属の与党セヌリ党議員から、安保協力について「既存の韓米日(3カ国協力)中心から韓米中(3カ国協力)体制へ変えることを検討すべきだ」との意見も出るほどだ。
米国のデービース北朝鮮担当特別代表が今月中旬に日中韓3カ国を歴訪した際、日米韓3カ国の局長級協議を検討したが、韓国側が慎重で実現しなかった経緯もある。今回の訪中で、朴政権の「日本外し」が一層際立つことになりそうだ。
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日韓断交
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