8日付の香港紙、明報によると、中国北京市の弁護士がこのほど香港を訪れ
千人の「民兵」を募って尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸、占拠する計画を
明らかにし、市民に参加するよう呼び掛けた。
退役軍人など20~40代の健康な市民らを対象に、3カ月以内に中国各地で
参加者を募り、準備が整い次第、国防省に通知するという。だが、中国当局が
民間人組織による上陸行動を許可するかは不明だ。
計画は、1953年に韓国の武装した民間人組織が竹島(韓国名・独島)に上陸
占拠したことに倣ったとしている。
弁護士らは5日に香港の日本総領事館近くで、尖閣領有権を主張するデモを行い
市民に計画をアピールした。
竹島、「中国の罠」にはまった韓国
東南アジア諸国から「結束して対処を」の声
【シンガポール】
沖縄県・尖閣諸島と、島根県・竹島をめぐる情勢は、南シナ海の領有権を中国と
争う東南アジア諸国にとり「対岸の火事」ではなく、国際司法裁判所(ICJ)への
日本の提訴の動きなどを注視している。
元外交官らは、韓国が「中国の罠(わな)」にはまっており、東・南シナ海を問わず
中国と領有権を争う関係当事国が、結束し対処することが必要だ
と指摘している。
「韓国は日本との争いを過熱させていることで、中国の罠にはまっている。
韓国は中国と、黄海の入り口にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり係争してい
ることを想起すべきだ」。
こう語るのは、ベトナムの元駐広州(中国)総領事のズオン・ザイン・ジ氏だ。
つまり「中国は今は、韓国との係争を見ぬふりをし、中国とともに韓国を日本との
争いに集中させている」という。
だが中国は日本との問題が小康状態になれば、矛先を韓国へ向けるだろう。
個別の領有権問題は関係当事国以外、介入しがたい。
「日本とベトナムは中国を相手に似た状況に直面しており、情報の交換、共有など
協力すべきだ」と提起する。
フィリピン政府筋も「南シナ海の関係当事国と日本などが結束、協力し中国に対処
すれば、中国の海洋覇権拡大を阻止する『鉄拳』になり得る」としている。
領有権問題をめぐる国際環境について、フィリピン政治暴力テロ研究所の
ロンメル・バンロイ所長は「領有権問題を規定、統制する包括・絶対的な裁定権限
は欠如し、無政府主義的な状況下にある」と憂慮する。
フィリピンの元駐マレーシア大使で、東南アジア諸国連合(ASEAN)の元事務局長
ロドルフォ・セベリーノ氏も「領有権問題は、ICJなどで直ちに解決されない。
法律上の権利を超えた、国益に関する問題だからだ」と指摘する。
それでもフィリピン政府筋は「日本の提訴方針は理解できる」と評価する。
フィリピンも中国を提訴することを検討してきており、「日本の動きに後押しされる
可能性もある」と言う。
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