【ソウル】
ベトナム訪問中の朴(パク)槿(ク)恵(ネ)大統領が過去の戦争の歴史について
謝罪発言などまったくせず、ベトナム側も何ら要求していないことが韓国で
話題になっている。
10日付の新聞論調では、韓国が日本に対してしきりに「歴史直視」を要求して
いることと矛盾するではないかとの皮肉も出ている。
韓国は1960~70年代のベトナム戦争で米軍支援のため延べ30万人以上
の部隊を派兵し、部分的に“住民虐殺事件”もあったとされる。
ベトナム統一後、両国は92年に国交を結んだが、ベトナムは韓国に対し
謝罪や反省、補償など一切求めなかった。
しかし2001年、金(キム)大(デ)中(ジュン)大統領がベトナム訪問の際
「不本意ながらベトナム国民に苦痛を与えたことを申し訳なく思う」と“
謝罪”した。(すぐ取り消した)
これに対し当時、野党だった朴槿恵ハンナラ党副総裁は「金大統領の
歴史認識を憂慮せざるを得ない。
参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」と批判した経緯がある。
ベトナム派兵は父・朴正(チョン)煕(ヒ)大統領(当時)の決断で行われた
ものだが、朴槿恵は今回の訪問に際しベトナムの国父ホー・チ・ミンの
廟(びょう)参拝、献花の時を含め戦争の歴史にはまったく触れず、もっぱら
経済協力問題に終始した。
中央日報は1面トップ記事で「父の時代の歴史に対する和解」とし
「過去についての両国の成熟した立場と、間違った歴史認識にとらわれている
日本を比較することになる」「日本への圧迫の意味もある」と奇妙な解釈を
加えている。
朴槿恵が謝罪をしなかった背景には、ベトナム戦争を米韓による侵略戦争
とするベトナム側と「自由を守るための戦争」とする自らとの間に
歴史認識の違いがあるからだ。
にもかかわらずベトナムが韓国に歴史認識の一致や謝罪、反省を求めず
未来志向の協力関係を重視する“成熟”した態度は、日本ではなくむしろ
韓国の対日姿勢に対する教訓であり“圧迫”になるものだろう。
一方、韓国マスコミはベトナムが60年以上も植民地支配したフランスに
対して謝罪や反省、補償など一切求めていないことにはまったく
触れていない。
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