安倍晋三首相が15日の終戦記念日の靖国神社参拝を見送る意向を
固めたことについて、来日中のメネンデス米上院外交委員長(民主党)は14日
東京都内で記者団に対し「未来志向の決定だ」と評価した。
メネンデス氏は15日、安倍氏と会談する。
メネンデス氏は、日本が東アジアや国際社会で責任ある役割を果たそうと
するなら「未来志向(の行動)は非常に重要だ」と強調。
中国や韓国が参拝に反対していることを踏まえ、安倍氏の決定は
日本の置かれた状況を理解していることの表れとの考えを示した。
沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立、首脳会談が実現していない日中関係に関し
安倍氏が前提条件をつけずに首脳レベルの交流を再開すべきだと呼び掛けて
いることについては「前向きで重要(な動き)だ」と述べ、支持する意向を示した。
米上院は7月末、尖閣周辺や南シナ海での中国の行動を非難する決議案を
全会一致で可決した。
靖国参拝、米はどうみる?
慎重対応求め、警戒論も
【ワシントン】
15日の終戦記念日を前に、オバマ米政権内でも安倍政権の閣僚が靖国神社を
参拝するかどうかへの関心が高まっている。
米メディアやリベラル派の中には依然、安倍晋三首相を「タカ派」
「歴史修正主義者」とみて警戒する空気が根強い。
米政府も水面下では安倍政権に慎重な対応を求めている。
日米関係筋によると、シャーマン国務次官(政治担当)は今月上旬
国務省内で杉山晋輔外務審議官と会談した際、靖国神社参拝をめぐる
安倍内閣の対応について説明を求めた。
杉山氏は、行くとも行かないとも言わない安倍政権の基本方針を説明。
その上で「個人の参拝は信教の自由に関する問題で、政府が立ち入る
べきではない」との菅義偉官房長官の見解を紹介した。
シャーマン次官は、安倍首相が靖国神社へ供物を奉納し、閣僚が参拝した
後の今年5月にも、中韓両国が激しく反発したのを受けて
斎木昭隆外務審議官(現外務次官)を国務省に呼び、歴史認識をめぐる
安倍政権の対応を問いただすなど、神経をとがらせている。
一方、米メディアでは安倍政権発足直後、「右傾化」「タカ派」
「歴史修正主義者」といった批判が目立ったが、最近ではワシントン・ポスト紙が
「安倍首相は歴史問題で政治的な無理をしないだろう」(7月21日付電子版)と
社説で論評するなど、慎重な政権運営を評価する論調も増えてきている。
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