パリ 6日 ロイター
同性婚が合法化されたフランスで、同性愛の男性カップル
が育てる赤ちゃんに1日130ユーロ(約1万7000円)で授乳サービスを提供する
という女性が登場し、メディアの注目を集めている。
インターネット上への投稿で女性は「私は29歳の正看護師で、健康な若い母親。
自分の胸を授乳のため貸し出したい」としている。
パリ近郊に住んでおり130ユーロで1日最高10回まで母乳を与えること
が可能だという。
情報を掲載したサイトの最高経営責任者(CEO)アレクサンダー・ウーグ氏は
スタッフが確認を取ったところ、女性の身元は確かで、授乳サービスを本気で
考えていることに疑いはなく、法律的にも問題ないとしている。
同サイトは、ユーザー同士が何でも貸し借りするための情報交換の場として
2009年から稼働しているが、授乳サービスは「芝を刈るためのヤギ貸し出し」
以来の注目度だという。
中国で「母乳」販売が拡大 粉ミルク
不信で・・・・・
粉ミルクに対する消費者の不信感が高まっている中国で自分の母乳を売り出す
女性が相次いでいる。
東北部遼寧省の瀋陽に住むヤンさんは、生後5カ月の子どもを育てながら
必要以上の母乳が出ることに気付いて販売を思いついたという。
「自分の母乳を無駄にしたくない」というヤンさんは、インターネットを通じて開業。
「自分はただ電話を待つだけ」
「新鮮な母乳を凍らせて、取りに来た相手に提供する」
と説明する。
中国のネット通販サイト「58.com」で「母乳」を検索すると、上海から広州に
至るまで、各地で母乳を販売している母親が見つかる。
中国では2008年に粉ミルクにメラミンが混入する事件が発生。
今月3日にはニュージーランドの乳製品大手フォンテラ・グループが
粉ミルクなどに使われる原料からボツリヌス菌が検出されたと発表し
中国は直ちに輸入停止に踏み切った。
母乳の出が十分でない中国の母親の多くはこれまで主に香港で粉ミルクを
買い求めていたが、今年に入って香港当局は、品薄や闇市場での価格高騰
を警戒し、旅行者が持ち出せる粉ミルクの量を制限した。
新婚の女性は「もし自分の母乳が不十分だったら、人の母乳を買う方がいい。
この国の粉ミルクは信用できない」と言い切る。
中国では衛生省が母乳の商品化を禁じると宣言したものの、売買を規制
したり禁止したりする法律は存在しない。
広州の産婦人科病院には5月に初の母乳銀行が登場し、先週には江蘇省の
南京にも母乳銀行が開設された。
毒ミルク事件の再来か各地の
乳幼児に性早熟が発現-中国
メラミン入りの粉ミルクを摂取した乳幼児が多発性腎臓結石を発症し
死亡者まで出した「粉ミルク汚染事件」は記憶に新しいが、現在、中国では
再び粉ミルクに大きな注目が集まっている。
中国メディアの健康時報が湖南省武漢市に在住
3名の女児に乳房が大きくなるなどの性早熟が発現したと報じた。
女児たちに共通する点として、同一メーカーの粉ミルクを摂取していた
ことを報じたが、環球時報によると、広東省や江西省、山東省などでも同様
の事例が報告されていることが明らかとなった。
報道によれば、江西省では生後10カ月の女児が、山東省では生後8カ月
の女児に性早熟がみられるほか、広東省では生後3カ月の男児の場合
は体内から過剰な女性ホルモンが検出されたという。
これらの幼児たちに共通するのは同一メーカーの粉ミルクを摂取していた
ことで、中国メディアもメーカーの実名を挙げたうえで報道している。
現在、各地で生後わずかの女児に性早熟が発言していることに対し
中国の関連部門は慎重な姿勢をみせているほか、疑惑の目を向けられて
いるメーカーは「われわれの製品に問題はない」と発表した。
しかし、報道によれば、武漢市の女児が病院で治療していたところ
メーカーから賠償の連絡があったという。
当初、2000元(約2万6000円)の賠償を申し出ていたメーカーだったが
最終的には20万元(約260万円)まで金額が引き上げられた。
しかし、女児の親は子どもの治療と原因の発見が先決だとして、メーカー
からの提案に同意しなかったという。
一方、湖南省衛生局や質検総局、食品衛生監督局などの公的機関は
「乳幼児の性早熟には複雑な原因が絡んでいる」として
慎重な姿勢をみせている
毒粉ミルク、生産拠点が未発達の
西部地域に移転=監視制度の甘さ
が盲点に―中国誌
中国国営新華社系の週刊誌「瞭望新聞週刊」は
「『毒』粉ミルクの移転ルートを塞げ」と題した記事で、メラミン入り粉ミルクが
開発の遅れている西部地域で現在も脈々と製造されていると指摘した。
08年に発覚した「メラミン入り粉ミルク事件」では多数の乳幼児が腎臓結石
などの健康被害に遭い、死者まで出た。
09年にはメラミン入り添加物「タンパク粉」を製造・販売していた業者と
原料乳に「タンパク粉」を混入させていた酪農家に死刑判決。
同年6月には「食品安全法」が施行され、食の安全に対する取り組みを強化
させたはずだったが、同年末に上海で販売されていた粉ミルクから
再びメラミン検出。
今年6月には甘粛省など3省で高濃度のメラミン入り粉ミルクが発見され
国民の怒りは頂点に達している。
甘粛省で発見されたメラミン入り粉ミルクは基準値の500倍という高濃度で
製造したのは青海省の乳製品メーカーだった。
いずれも舞台は開発が遅れている西部地域だが、中国衛生部が発表した
最新の「メラミン不合格製品リスト」によると、摘発された10社中5社が西部地域
の企業だった。
メラミン入り原料は粉ミルクのほか、パンやお菓子などにも流用されていた。
記事は、08年に全て廃棄処分されたはずのメラミン入り原料や粉ミルクが
今も流通し、監視制度の緩い同地域で生産が続いている現状を指摘。
法律や制度を整えるだけでなく、企業の倫理観があてにならない以上
行政がしっかりと監視・管理する仕組みを整えることこそが国民に対する
誠意だと強調した。