北朝鮮は
トランプ大統領のツイートを宣戦布告と見なすと述べ
米軍のB-1Bランサー戦略爆撃機をたとえ領空外でも
撃墜すると警告した。
だが、そのような攻撃は、言うほど簡単ではない。
アメリカは
北朝鮮の挑発的なミサイル発射や核実験への対抗措置
として、しばしば北朝鮮に近い空域にB-1Bランサーを
飛行させている。
長大な航続距離と高高度性能を誇る超音速爆撃機だ。
自衛隊の戦闘機がしばしばB-1Bと合流する。
北朝鮮国境近くの演習場に訓練用爆弾を投下する
こともある。
こうした動きに北朝鮮は怒りをあらわにしている。
北朝鮮は同じような行動を取れるほどの空軍力を
持っていない。
北朝鮮は、8月にはグアムに向けてミサイルを発射する
可能性を示唆していた。
グアムには米軍の爆撃機が多数配備されている。
そして今は、国際空域を飛行する米軍機を撃墜すると
権利があると述べている。
警告を実行に移す準備を整えている可能性がある。
しかし北朝鮮の防空能力では、実行は難しい。
「北朝鮮の防空能力は相当の範囲をカバーするが
かなり時代遅れだ」と米シンクタンク
ストラトフォーの上級軍事アナリスト、オマール・ラムラニ氏
は語った。
戦闘機
La-7 - 朝鮮戦争時に使用。
La-9 - 朝鮮戦争時に使用。
La-11 - 朝鮮戦争時に使用。
Yak-9 - 朝鮮戦争時に使用。
Su-7BMK(戦闘爆撃機)
MiG-15/bis
MiG-17/F/P、F-5/A
(F-5/Aは中華人民共和国製)
MiG-19S/P、F-6(F-6は中華人民共和国製) - 150機
1983年2月、李雄平大尉がF-6で38度線を越えてに亡命。
1996年5月、李哲数大尉がF-6で38度線を越えてに亡命。
MiG-21F-13/PF/PFM/bis、F-7B - 180機
MiG-23MS/MLA - 46機(形式不明)
MiG-29 «9.13» - 16機だと考えられているが30機~最高45機程度との情報もある。さらに、泰川にライセンス生産施設があるという説もある。韓国国防部はMiG-29の数は40機であるとの見積もりを出しており、この見積もりに基づいた有時の要撃準備を進めている。
攻撃機
Su-25K - 35機
A-5 - 40機。『Militaly Balance』などの一部の書籍では
ベースとなったMiG-19と混同している。
Il-10 - 朝鮮戦争時に使用。
爆撃機
Il-28、B-5(B-5は中華人民共和国製) - 35機と44機。
南部の苔灘郡に配備されており、離陸後数分で
ソウル上空に到達できるという。
ミサイル
多連装ロケット砲
M-1985/1989/1991
M-1977/1985/1992/1993
63式130mm多連装ロケット砲
63式107mm 12連装ロケット砲 - 中国製の多連装ロケットランチャー。VTT-323装甲車やM1992装甲車などの陸上車両や
小型艇にも搭載されている。
地対地ミサイル
9K52自走ロケット砲「ルナ」(R-70/FROG-7)
P-15(SS-N-2「スティックス」)
HY-2(CSS-N-3「シルクワーム」)
沿岸防衛用にM1991 122mm自走カノン砲と同型の車体に
発射機を1基を搭載した車体を配備しており、積極的に
演習で試射している。
Il-28、An-2に搭載して空対地ミサイルとしても運用している。
対戦車ミサイル
9M14(AT-3「サガー」) - 「스성보(Susong-Po)」の
名で用いている。ライセンス生産か?
火の鳥2 (Bulsae-2)-上記ミサイルの独自改良型
火の鳥3 (Bulsae-3)-上記ミサイルの独自改良型
地対空ミサイル
S-75(SA-2「ガイドライン」)
S-125(SA-3「ゴア」)
S-200(SA-5「ガモン」)
9K35(SA-13「ゴファー」) - 弾頭や発射弾数に改良を
加えられている物も存在する。
携帯式地対空ミサイル
9K32「ストレラ-2」(SA-7「グレイル」) - 「Hwasung-Chong」
の名で生産。支那製のHY-5も用いられている。
9K310「イグラ-1」(SA-16「ギムレット」) -
九州南西海域工作船事件で海中から発射機が回収された。
地対艦ミサイル
金星3 - 北朝鮮の地対艦巡航ミサイル
ロシアのKh-35対艦ミサイル(3M24「ウラン」、SS-N-25
「スイッチブレード」)とよく似ている。
弾道ミサイル
9K79「トーチカ」(SS-21「スカラブ」)
KN-02 (ドクサ)- SS-21の国産型。2008年の軍事パレードで
日産製のトラックに搭載されて登場。
北極星1号(KN-11)
北極星2号(KN-15)
ファソン5 - スカッドB改。「ファソン」は「火星」の意味。
ファソン6 - スカッドC改。
ノドン一号 - 初代ノドン。
ノドン二号 - 二代目ノドン。
進歩型ノドン
テポドン1号(白頭山一号)
精密誘導型短距離弾道ミサイル(名称未公開) -
2017年5月29日に発射し、北朝鮮は精密誘導ミサイルと
発表した。
火星12(KN-17)
火星14 - 2017年7月4日に発射された
大陸間弾道ミサイル(ICBM)。
例えば『シルカ』で有名な23mm4連装を搭載し
たZSU-23-4。
ただ、有効射程は2,500m程度で高高度を飛行する
戦闘機の撃墜はほぼ不可能です。
その他は口径が30mm前後で一部はレーダーを搭載して
いるものの同様に射程が短く撃墜は困難です。
また旧ソ連が開発した口径57mmの連装タイプの
ZSU-57-2を保有しているもののベトナム戦争時でも
旋回速度が遅いなどの理由から当時のジェット戦闘機
ですら撃墜は困難だったとされます。
何れにしても20~30mm程度のタイプでは高高度を
飛行する航空機を撃墜することはそもそも不可能です。
▼ZSU-23-4
防空ミサイルはどうなのでしょうか。
北朝鮮は対空ミサイルであれば高高度を飛行する
軍用機を撃墜可能なものを保有しています。
例えば2006年に就役したロシアのS-300を元に開発
されたと言われている『ポンゲ5』、これを発展させた
『ポンゲ6』があります。
ポンゲ6については今年5月に量産が始まったばかりと
されほとんど配備されていないものと考えられます。
▼ポンゲ5
またSA-5 ガモンというロシアのS-200の他
ステルス攻撃機F-117を撃墜したことで有名なS-125
ネヴァーも配備されており、特に大型の爆撃機や
非ステルスの軍用機には脅威となりうる対空ミサイルは
唯一有効な防空ミサイルがどの程度配備されている
のかは分からないのですが、開戦時に発射されるで
あろう大量の巡航ミサイルをすべて迎撃することは
不可能と考えられます。
さて、過去に報じられた記事としてグーグルアースから
調査された北朝鮮、平壌の対空砲(ミサイルは含まず)
の展開状況があります。
Google Earthで見る北朝鮮の対空防御網 - GIGAZINE
それによると平壌を中心に複数の対空砲が守っている
という状況がうかがえ、そこには
固定式の100mmや85mm高射砲が含まれています。
ただ、これらの高射砲に関してもレーダー等は搭載
されていないと考えられジェット戦闘機を撃墜することは
ほぼ不可能です。
▼北朝鮮に展開されていると85mm高射砲とほぼ同じタイプ
▼平壌を中心とした対空砲の配備状況
(白枠37mm 青枠57mm、赤枠100mm、黄色は運搬式の
対空砲が設置されると考えられるエリア)
敵国の対空砲や対空ミサイルシステムはどこの国で
あってSEAD(敵防空網制圧)という現代主流となりつつある
後に続く航空作戦を遂行するために真っ先に叩かれる
対象の1つとなっているらしく。
仮に全面戦争となった場合、北朝鮮の防空兵器の大半が
短時間で破壊されるものと考えられます。
また北朝鮮空軍の戦闘機による支援に関しても滑走路
が破壊されれば離発着は不可能になるため極めて
限定的になると考えられます。
アメリカ軍の本格的な攻撃を防ぐことができる国
自体が少ないのですが推測ではアメリカが北朝鮮の
制空権を確保するまでの時間は短くて数日
長くても数週間程度と考えられます。