テレビ局の報道姿勢が疑問視されている。
民間団体が「加計学園」問題をめぐる、国会の閉会中審査のテレビ報道を
調査したところ
「行政がゆがめられた」という前川喜平前文科事務次官ばかりが
取り上げられ、「ゆがめられた行政が正された」と反対の主張をした
加戸守行(かと・もりゆき)前愛媛県知事らはほぼ無視されていた。
公共の電波を使用するテレビ局の
「政治的公平性」が疑われる。
悪質な番組について、BPO(放送倫理・番組向上機構)への告発も
検討されている。
野田聖子 加計学園問題
「マスコミがつくった世論が、政府に『説明すべきだ』と要求し
閉会中審査が開かれた。
だが、一方の意見は報道しながら、もう一方の意見はほとんど報道しない。
『偏向報道』というレベルではなく
テレビ局による『情報統制』といっても
いいのではないか」
調査した一般社団法人「日本平和学研究所」の理事長で
文芸評論家の小川榮太郎氏は語った。
同研究所は、加計学園の獣医学部新設をめぐる7月10日の閉会中審査
について
NHKと民放キー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
の30番組(=10日午後2時19分から翌11日放送)が、参考人の発言を
どれだけ取り上げたかを調べた。
驚くべき結果は
小川氏が呼びかけ人を務める「放送法遵守を求める視聴者の会」
(視聴者の会)のウェブサイトに掲載されている。
同会には、前拓殖大学総長の渡辺利夫氏や、米カリフォルニア州弁護士
のケント・ギルバート氏らも名前を連ねている。
30番組で「加計問題」を扱った8時間44分59秒のうち
「初めから加計学園と決まっていた」という前川の発言を放送した時間は
何と2時間33分46秒もあった。
これに対し、「(前川の主張は)まったくの虚構だ」という国家戦略特区
ワーキンググループの原英史委員は2分35秒
「岩盤規制にドリルで穴を空けた」という加戸氏は6分1秒だった。
前川は衆参両院に呼ばれ、原氏は衆院だけ、加戸氏は参院だけと
いう違いはあるが、正反対の意見が披露されていながら
前川の放送時間が、加戸氏の25倍以上というのは尋常ではない。
報道各社の世論調査で、加計問題をめぐる政府側の説明に
「納得できない」という意見が6~7割あるが、こうしたテレビ報道も
影響しているのではないのか。
なぜ、テレビ局は極端な報道を行ったのか。
「視聴者の会」の事務局長を務める、経済評論家の上念司氏は
「2つの可能性が考えられる。
まず、番組制作者が安倍晋三首相を嫌い、『安倍降ろし』のために
公共の電波を『政治プロパガンダ』の手段として使った。
もう1つは、(偏った放送内容で)視聴率が取れたので、同じ方向に
乗ってしまったのではないか」と分析した。
7月10日の閉会中審査を報じた番組で、加戸氏の発言をほとんど
取り上げなかったことは、ネット上などで「加戸隠し」などと批判された。
このため、同月24、25日に衆参両院で行われた閉会中審査については
加戸氏の発言を紹介するテレビ局が増えた。
だが、上念氏は
「アリバイ的に加戸氏の名前を一瞬出すようにしたが、映像に
アナウンサーの声をかぶせたりして、隠している印象だった。
変化に気づかないほどの変化だった」と指摘する。
8月末に新体制への移行を予定している
「視聴者の会」は、悪質なテレビ番組について、BPOへの告発を
含めた対応を検討している。
さらに、野田聖子総務相率いる総務省に対し
「政治的に公平であること」
「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から
論点を明らかにすること」
と記した放送法第四条を順守するよう、各テレビ局への指導を求める。
それが不可能であれば
電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける「電波オークション」
(=電波の自由化)を要請する予定という。
上念氏は
「テレビ局が『公平』という基準を勝手に決めていいという話になって
いておかしい。
(テレビ報道が)『公平に見えない』という視聴者が一定以上の割合
いる現状をテレビ局は重くみるべきだ」と話した。
http://hosyusokuhou.jp/archives/48799104.html
8/22の産経新聞と読売新聞の朝刊に
加計学園報道に関する
「放送法遵守を求める視聴者の会」
の意見広告が掲載されています。
すばらしい。感動した。