降水レーダーに、突如として現れた真っ赤な円。
「天使の輪か?」「使徒に襲来されているのでは?」
などと、ツイッター上で話題を集めました。
見事なまでに円状の輪ですが、果たして本当に雨が降ったのか? あるいはシステムの故障? 気象庁に聞いてみました。
直径10キロ
突如として真っ赤な円
気象庁のホームページで公開されている
降水レーダー「高解像度降水ナウキャスト」に、その「円」
が現れ始めたのは、5月12日の午前7時前。
場所は、静岡県の浜松市・磐田市近辺です。
直径10キロ超の円が、突如として浮かび上がりました。
円状の地域は1時間に80ミリ以上の豪雨になっている
はずですが、この周囲には他に雨雲と呼べるような印は
一切ありません。
気象庁のレーダーは他の気象情報サイトなどにも
提供されているため、それらの降水レーダーにも同様の
円が出現。
そのことから、「浜松で何が起きているんだ……」
などとネット上で話題を呼びました。
果たして、この円は何なのか? 気象庁に聞きました。
気象庁「レーダーの異常」
気象庁によると、謎の円の正体は「レーダーの不具合」とのこと。
浜松市にある国土交通省の「XバンドMPレーダ」が異常を
きたしたそうです。
このXバンドMPレーダは、高精度な雨量データをほぼ
リアルタイムで配信することができるシステムで、国交省が
運用地域を広げています。
降水ナウキャストはこのXバンドMPレーダのデータを利
用しています。
今回はこのXバンドMPレーダに不具合が生じ
午前6時56分~午前8時27分にかけ、降水ナウキャスト
上にて円が浮かび上がりました。
これに気づいた国交省が、すぐに観測を停止したそうです。
気象庁によると、円の輪状に雨が降ったという事実は
「ない」とのこと。
ちなみに浜松のレーダーは、午後3時現在も観測自体が
止まっています。
気象庁の担当者は
「異常はごくまれに起こるが、このように円状になったことは
記憶にない」と話しています。
ちなみに、気象情報会社「ウェザーニューズ」も同様の
問題を把握。
全国に30万人いるウェザーリポーターからの報告では
浜松・磐田市の近辺では雨が降っていなかったそうです。