独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は5日、沖縄海域
の海底に存在する金や亜鉛などの鉱物資源が市場価格で最低でも2000億円
になるとの試算を明らかにした。
陸上の中型鉱山と同程度の規模。
同地帯には、現時点で埋蔵量が不明の鉱物資源の存在も確認されており、今後
の調査で資源価値がさらに膨らむ可能性があるとしている。
試算したのは、沖縄本島から北西に約100キロの「伊是名海穴」と呼ばれる
一帯の海底熱水鉱床に存在する鉱物資源。
今年3月に確認したと発表していた。
JOGMECが同日公表した報告書によると、同地帯の埋蔵量は海底の表面
付近だけで約340万トンと推定。
金、銀、同、鉛、亜鉛など工業製品に必要な鉱物資源が含まれている。
JOGMECは、今後5年間をかけて、より詳細な資源量調査や、商業化に向けた
海底から鉱物を船上に引き上げる生産試験などを進める方針。
JOGMECの辻本崇史・金属資源技術部長は「商業化に向けた課題を着実に
乗り越えていきたい」と述べた。
中国企業船も尖閣接近、EEZ内通告
せず調査
「上海海洋石油局の所属船だ」
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域に6月、3度にわたって姿を現したバハマ
船籍の海洋調査船が、海上保安庁の巡視船の警告に
上海海洋石油局の所属と名乗っていたことがわかった。
同局は中国の大手国有企業の傘下にある政府系機関で、新しい油田の発見
などが主な業務。
同船は以前から尖閣周辺での航行が確認されているが、頻度が急に高まって
おり、第11管区海上保安本部(那覇)では、中国が中央政府とは別の機関を使
って尖閣での示威行為を本格化させた可能性もあるとみて、警戒を強めている。
11管によると、バハマ船籍の海洋調査船は「DISCOVERER2」。
30日午前6時20分ごろ、尖閣諸島・久場島の北北西約132キロにある日本
の排他的経済水域(EEZ)内でワイヤ8本を曳航しながら航行しているのが
確認された。
海上保安庁の航空機が「同意のない調査は認められない」と警告した。
DISCOVERER2は6月17~18日と23日にも同様に航行。
17日には巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属だ」と説明した上
で「ここは中国の排他的経済水域で中国政府の許可を得ている」などと
中国語で回答してきたという。
11管は、海底資源の調査をしていた
可能性もあるとみている。
千代田化工
海洋資源開発で英社買収
海底油田の調査開発ノウハウ獲得へ
プラント建設大手の千代田化工建設は、海底にある油田・ガス田の調査や設備
の設計などに強みを持つ英エクソダス社の株式の過半数を取得したと発表した
エネルギー需要の高まりを背景に世界各地で海洋資源の開発が加速しており
買収により、開発の初期段階からのノウハウを獲得する狙い。
日本近海でも次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」が確認されており
今後、日系企業などが資源開発に進出する際にサービスを提供していく方針だ。
出資額は約100億円で、エクソダスの創業者やファンドから株式を取得した。
取締役会に議長を含む役員3人を派遣し、経営に関与する。
エクソダスは2005年に設立され、2012年度の売上高は約90億円。
海底探査で得られた情報を収集して分析し、効率よく資源開発を行うために
必要な海中の設備や仕組みの設計などを顧客に提案する。
これまで北海油田を中心に実績を重ね、英・オランダのロイヤル・ダッチ・シェル
や英BPなど国際石油資本(メジャー)などから受注してきた。
千代田化工は採取した石油やガスを精製するプラントの建設を得意として
いるが、今年5月に発表した中期経営計画では、海洋資源開発などの分野へ
の進出を成長戦略の1つに位置付けた。
エクソダスの買収もその一環で、今後4年間でM&A(企業の合併・買収)なども
含めて800億円を投資する方針だ。
ポチッとクリックお願い