動物たちはお世話になった相手
受けた恩のことは
いつまでも覚えている。
一度深い絆で結ばれた相手なら例え人間でも、大切な我が子を
任せてくれる。
孤児となり人間の手で育てられたワラビー。
その後無事に野生へと帰っていったのだが
ボーイフレンドを紹介しにやってきた、なんとその後
今度は生まれたばかりの我が子を見せにやってきて
そこで子育てを始めたのだ。
オーストラリア在住のリタブープさんは海外掲示板レディットに
心温まる写真を投稿した。
リタブープさんさんは、孤児となったワラビーの赤ちゃんを
引き取っては育て上げ、野生に返すというボランティアを
6年間続けている。
そんな彼女の元にやってきたのが、生後5ヶ月のとき母親が
交通事故で亡くなってしまったというミラブーカだ。
ミラブーカは他のワラビーの赤ちゃんと一緒にリタブープさんに
育てられた。
リタブープさんレディットで当時の思い出を語り始めた。
もうここまで育てば大丈夫と、リタブープさんはミラブーカを
野生に返した。
ここまではよくある話なのだが、野生に返したそのあとも
なにかとしょっちゅう顔を見せに戻ってきていた。
ドアをトントンとノックし、「里帰りしてきたわ、家に入れて」
と言わんばかりに催促するのだそうだ。
だがある日を境に、ミラブーカは姿を見せなくなったという。
ああもう完全に野生に溶け込んだのね。
とうれしいような寂しいようなそんな気持ちでいたら、その数週間後
突然ひょっこりと「私の彼よ」とボーイフレンドを連れて戻ってきた。
その後間もなくして、今度は生まれた子供を見せにやってきたのだ。
「ピンク色をした小さなものが今の姿まで成長する過程を見れるなんて
とても素敵でした。
彼女はいいお母さんですよ」とリタブープさん。
赤ちゃんはミラブーカさんの愛称ブーキーにちなんで、ルーキーと
呼ばれている。
リタブープさんは多くのワラビーを育て
十分成長した時点で元の野生に還す活動を続けてきた。
こうした手法はソフトリリースと呼ばれている。
まずワラビーは囲いから放たれるが、自由に戻ることができる。
ほとんどが最初のうちは数日間だけ外の世界を覗き見してまた
帰ってくる。
こうして自信を育み、最終的には完全に野生へ戻っていくのだ。
オスはある程度大きくなっていればさっさとガールフレンドを探して
消えてしまうが、メスの場合は近くに留まることが多いのだという。
ミラブーカはきちんと自分の力で生きているが、故郷が子供に
とっても安全な場所であることを分かっているのだ。
そしてリタブープさんという強い絆で結ばれた人間もいる。
だからこの家が大好きなのだそうだ。
里帰りして、ここで子育てをしていたミラブーカ
「その後子供が飛び跳ね方をきちんと身につけるまでは
ずいぶんここで過ごしていました。
息子にもここが安全であることを教えようと思ったんじゃ
ないでしょうか」とリタブープさん。
今では息子もこんなに大きくなった。
今度はこの息子がお嫁さんを
連れてやってくるのかな?
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