通貨危機などの緊急時に外貨を融通し合う「日韓通貨交換(スワップ)協定」の
総枠130億ドル相当のうち30億ドル分について、協定延長交渉が行われずに
失効する可能性があることが8日、分かった。
日本政府は韓国側からの要請がない場合は延長しない方針
同協定をめぐっては昨年8月に李明博大統領(当時)が竹島
(島根県隠岐の島町)に上陸した後、欧州通貨危機などに伴い700億ドルまで
引き上げていた拡充策を10月に取りやめた経緯がある。
朴槿恵新政権が国内の政府批判を警戒して協定延長の要請をためらって
いるとの見方もある。
同協定の30億ドル分については融通期限が今年7月3日に迫っているが
現時点で韓国側から延長協議の打診はない。
韓国にとって協定は、国際金融市場で交換性に乏しいウォンによって国際通貨
であるドルや円を調達できるため、韓国経済の安定化につながりこそすれ
デメリットはない。
このため、朴政権は「重要な政治決定を行う体制ができていない」
との見方のほか、急速に悪化した日韓関係の中で「日本への支援要請で“弱腰”
との政府批判が高まることを懸念し、要請に二の足を踏んでいるのではないか」
とみられている。
ただ、今回30億ドル分が失効しても、1997年のアジア通貨危機を受けた
東南アジア諸国と日中韓3国による通貨スワップの取り決め
(チェンマイ・イニシアチブ)により、100億ドル分の融通枠は継続される。
韓国側にとって死活的ではないだけに、延長要請に踏み切る可能性は高い
とはいえないが、日本政府には協定延長交渉を両国関係の改善に向けた糸口
にしたいとの期待もあり、朴政権の動きに注目している。
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