中国が日本へのウナギ輸出を停止すると発表
減少が著しいニホンウナギの代替品として中国経由
で大量に輸入されているヨーロッパウナギについて
中国政府当局が2015年2月以降は輸出を認めない
との意向を日本国内の業界関係者に伝えていること
が28日、分かった。
ヨーロッパウナギはニホンウナギに比べて安価で
人気が高い。
ウナギの市場供給量が来年以降はさらに減り
安いウナギは遠くなりそうだ。
ヨーロッパウナギは10年末以降、欧州連合(EU)が
輸出を禁止している。
中国には、EUの輸出禁止前にフランスから稚魚の
シラスウナギが大量に輸出され、これを養殖したウナギ
が「合法的な製品」として日本に再輸出されている。
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072801001210.html
中国が日本へのウナギ輸出を停止すると発表
ウナギ、完全養殖で救え
青い光に包まれたひんやりした実験室の水槽で
ニホンウナギ の幼生がゆらゆら。
孵化(ふか)したばかりで体長は数センチだが、サメの卵
などを食べて体長5~6センチ、親と同じ形の
稚魚(シラスウナギ)に育つ。
三重県 にある水産総合研究センター 増養殖研究所。
4年前、人工授精 から育ったウナギが卵を産み、孵化する
「完全養殖」に世界で初めて成功した。
ニホンウナギ は日本から約2千キロ離れた太平洋で
産卵し、川で5~10年ほど生きるが、海での暮らしは
よくわかっていない。
漁獲量が不安定な天然の稚魚を使わない完全養殖は
夢の技術だ。
昨年度は約400匹が稚魚まで育った。
研究の第一人者田中秀樹 ・ウナギ量産研究グループ長
は「水槽さえ増やせば人工授精 から育った稚魚の出荷は
今でもできる」と言う。
ただ、値段は天然の数十倍。
親ウナギはホルモンを与えないと卵を産むまで
成熟しない上、生まれて稚魚になるまで長くて700日と
手間がかかる。
稚魚に育つ生存率も1割以下だ。
それでも4年間で餌やホルモンの開発が進み、研究の
舞台も「実験室」から「工場」に移りつつある。
今年2月、静岡県 にある千リットルの大型水槽で稚魚
の飼育に成功したと発表。
生存率は実験室よりさらに低い1%ほどだが
今も300匹余りが育つ。
今後、民間の技術協力で水槽を増やす
「研究すればするほど稚魚を大量に飼う難しさが分かって
きた」と話す田中さん。
天然の稚魚を守るためにも、将来、養殖に使う稚魚の
一部を人工生産で補うことを目指している。